アメリカではマーケティング戦略の1つとしてウェビナーが主流になっています。
近年は、日本においてもウェビナーの活用が普及してきています。
しかし、ウェビナーがどのようなものか分からない方や、ご存知でもその必要性をあまり感じていない方もいるでしょう。
本記事では、新しいマーケティング戦略として日本でも普及しつつあるウェビナーについて、その必要性や導入事例、おすすめのツールの紹介を交えて解説します。
目次
ウェビナーとは?メリットは?
ここではウェビナーとは何なのか、そしてそのメリットについてご紹介します。
ウェビナーとはweb上のセミナー
ウェビナーとは、Webとセミナーを合わせた造語です。
その名の示す通り、インターネット上で動画やスライドを活用してセミナーを配信することです。
従来のWeb会議システムは、数名程度の少人数の参加を主たる目的としているのに対し、ウェビナーでは数十人から数百人規模の多人数の参加が可能で、Web会議システムよりも低いコストで対話型のセミナーを実現します。
ウェビナーは、セミナーを生中継で配信して視聴者もリアルタイムで参加するライブ配信型と、セミナーを録画してそれを配信する録画配信型の2つのスタイルがあります。
ライブ配信型は、セミナーに臨場感があり、参加者と質疑応答で双方向のやりとりができるのが特徴です。
録画配信型は、資料をあらかじめ編集して充実した内容にしておくことができます。
動画だけを写すシンプルなものから、ホワイトボードに書きながら進行するものや、パソコンの画面を共有して、写真やパワーポイントで作成したスライドなどの資料を見せながら進行するものなど、配信の方法は様々です。
ウェビナーのメリット
ウェビナーは参加者にとっても、主催者にとっても多くのメリットがあります。
まず参加者側のメリットから見てみましょう。
会議室や会場で開催するセミナーは、決められた時間に決められた所まで出向かなければなりませんが、ウェビナーは、インターネット環境さえあればどこにいても参加することができ、移動に要する時間もなく交通費もかからず、気軽に受講できます。
また、会場でのセミナーでは多くの人の前で手を挙げて質問するのは少々勇気のいることですが、ウェビナーならチャット機能を使って気軽に質問をできます。
次に主催側から見た場合ですが、会場でセミナーを開催する場合は、会場費を始め当日の運営に携わる人の人件費や交通費がかかりますが、ウェビナーはインターネット環境と配信のためのパソコンとカメラ、マイクといった配信環境だけがあれば開催できるので、低コストで運営できます。
また、ウェビナーはインターネット環境があれば場所を選ばず参加できるので、全国各地のみならず海外からでも参加でき、幅広い人にアプローチすることができるので集客がしやすいというメリットがあります。
アメリカでウェビナーが必要とされる理由
アメリカで先にウェビナーが浸透した理由としては、地理的な問題があったことが挙げられます。
国土の広いアメリカでは、顧客までの距離が遠く、1社訪問するのにも数日かかってしまい、人件費、交通費、宿泊費がかさみます。
企業はそのようなコストがかかる訪問営業に代わる手法を模索し、その結果ウェビナーが注目されるようになりました。
最初はIT業界で採用が進み、その後、インターネットの普及に伴って一般の会社へと層を広げていきました。
ウェビナーの普及によって、今までは参加したくても場所が遠くて二の足を踏んでいた顧客の機会損失を避けることができ、集客力がアップしました。
また、アメリカではウェビナー普及前は国内の主要都市に代理店を置き、地方のマーケットを代理店がカバーするという手法を取っていました。
新しい商品やサービスを販売開始する際は、代理店の担当者を1ヶ所に集めて説明会を開くか本社の責任者が各代理店を訪れて説明していました。
しかし、ウェビナーの導入によってオンラインでセミナーを開き、出張旅費を抑えることができるようになりました。
説明会の参加者にとっても、会場まで足を運ぶ手間が省けて机にいながらにして最新の情報をウェビナーを通して入手できることは業務の効率化に繋がります。
ウェビナーの必要性。今、日本企業でウェビナーが必要とされる背景
日本では商習慣上、直接顔を合わせて顧客との関係を醸成することが好まれていましたが、少子高齢化による人材不足でそのような営業活動に人員を割くことが難しくなり、また、働き方改革でリモートワークが広がったこと、それにモバイル端末でも5Gが商用化されて大容量の動画がストレスなく視聴できるようになってきたことなどから、日本でもウェビナーの必要性が高まり、インフラ面でもウェビナー実施の環境が整ってきました。
以下にそれぞれについて詳説します。
人材不足
経済産業省が発表した日本国内のIT人材の動向に関する調査によると、2020年時点でIT人材は36万9千人不足するとされています。
製造業でも人手不足は何年も前から指摘されており、中小企業では特に顕著です。
少子高齢化で労働力人口が減少し、この傾向は今後も進んでいくであろうと予測されています。
新卒者や転職者は大企業を指向する傾向があり、日本の全企業数のうち99%以上を占める中小企業では人手不足が深刻です。
このような社会的背景から、企業は限られた人的リソースで企業活動を行うことが求められ、生産性の向上が差し迫った課題になっています。
今までは新しい商品やサービスの売り込みは、営業担当者が企業を回って説明を行う訪問営業が主でしたが、1人の営業担当者が回れる企業は1ヶ月に数十社が限界で、生産性が高いとは言えない働き方でした。
そこで少人数でも高い生産性を上げることのできる新しいマーケティングツールとしてウェビナーが注目されています。
働き方改革
政府が重要政策としている働き方改革で、日本の企業で常態化している時間外労働の改善と新たな働き方の実現が求められています。
従来は会社に遅くまで残り長時間労働をいとわない「モーレツ社員」が評価されていましたが、長時間労働による健康面へのダメージが指摘されるようになり、また、価値観の多様化により仕事以外の時間に価値を見出す人達が増えてきました。
そのため、企業は残業を抑えて従業員の健康を守り、従業員の満足度を上げるために生産性の向上を図りつつ、企業としての競争力を維持していく課題を抱えています。
課題を解決するには、新たな人材の確保と育成、そして今までの概念にとらわれない新しい働き方の導入が必要です。
労働人口の減少と高齢化が進む中では、残業ありきの事業モデルでは人材確保は難しく、生産性向上は差し迫った課題です。
世界的に見ても日本の労働生産性はOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)加盟国35ヶ国中22位で、主要7ヶ国の中では最下位と、大きく立ち遅れています。
日本でもIT技術が普及した現在、従来の働き方をIT技術によって変革させようという試みの1つとしてウェビナーが注目されています。
動画コンテンツの浸透
インターネットの黎明期だった1990年代前半では、インターネットへの接続がダイヤルアップによる接続で、通信速度はアナログモデムの場合は56kbps、ISDNでも64kbpsから128kbpsと低速で、文字情報とせいぜいJPEGフォーマットの写真を送受信するのが精一杯でした。
しかし、21世紀を迎えてインターネットの環境が大きく改善され、まずADSLが広まり50Mbpsになりました。
そして2010年を迎えるころには光回線が普及して通信速度は最大10Gbpsになり、パソコンでインターネット上の動画をサクサク視聴できるようになりました。
2020年にはスマホの通信に5Gが商用化され、通信速度がそれまで150Mbpsだったのが最大で10Gbpsとなり、スマホでも大容量の動画ストリーミングが利用できる環境になりました。
通信インフラが整うにつれて、その高速性を利用して動画のコンテンツを配信するさまざまなサービスが登場し、動画に慣れ親しんだ人が増えてきています。
そのような状況の中、ウェビナーもまた、人々に受け入れられやすい環境にあり、日本での普及が進んでいると考えられます。
ウェビナーの導入企業例
ウェビナーを導入した企業の例を3つご紹介します。
最初に、ヘルスケア部門で世界的に事業を展開しているA社は、世界の科学者や研究者に対して機器、試験薬、解析用ソフトウェアを提供しています。
今までは大都市圏の会場で技術向上セミナーを開いていましたが、ウェブ上で開催することで、より多くの科学者、研究者に情報を行き渡らせることができるようになりました。
また、セミナーのみならず機器の取り扱い・メンテナンス方法を動画で配信し、顧客は軽微な故障は自分で復旧できる体制を整えました。
次に、グローバルに医療機器、メディカルサプライを供給しているB社は、医療機器の技術的な情報を動画で配信し、医師たちとの関係を醸成し、自社製品の継続的な利用、新規の利用契約獲得に効果を上げました。
また録画配信に加えてライブ配信のウェビナーも開催し、その中で質疑応答を行って顧客満足度の向上を図っています。
最後に、通信、航空・宇宙、半導体の測定機器をグローバルに供給するC社は、会場で開催していた展示会を同時にウェビナーで配信する試みを始めました。
その結果、会場での参加者1,500人に加えてウェブ上で2,000人の参加者があり、全体で参加者を2倍にすることができました。
ウェビナーの必要性が高い企業例
ここでウェビナーはどんな企業で必要性が高いかを考えてみたいと思います。
まず、新規採用者を募集している企業が考えられます。
企業は継続的に新しい人員を確保せねば企業の存続はありません。
しかし、少子高齢化によって働き手の絶対数が減少している昨今、企業に必要とされる人材の確保が難しくなってきています。
採用者を募る手法としては、従来は会場で会社説明会を開くのが一般的でしたが、開催地が首都圏に限られている場合が多く、全国くまなく採用者を募ることは不可能でした。
そこでオンラインで説明会を開催することによって地方に向けても人材の発掘が可能となります。
次に考えられるのは、自社の製品やサービスの営業活動の効率化と拡充を図る企業です。
従来は営業担当者が企業を回って説明する訪問営業が主でした。
しかし、訪問できる企業の数はおのずと限界があり、訪問するエリアも自社所在地の周辺だけでした。
そこでウェブ上で説明動画を配信することによって、より多くの顧客に対して情報発信できるようになり、また全国各地に向けてプロモーションを展開できるようになります。
初めてのウェビナー導入におすすめのツール
ウェビナーを導入するなら、自社でシステムを独自開発するよりも、各社から提供されているツールを利用するのが時間的にもコスト面でもメリットが大きいでしょう。
ここではおすすめのツールを3つご紹介します。
ネクプロ
ネクプロは、オンラインセミナーも会場でのオフラインセミナーも一体的に運営を行えるシステムです。
通常のイベントに加えてウェビナーが開催でき、両会場の集客、申し込み、受け付けの管理が一元的にできます。
それにより、セミナーの種類が増えても管理業務を効率化します。
セミナーのライブ配信終了後も、セミナーの模様を録画配信することで、参加者の醸成を図ることができます。
参加者、プロセス、効果を一元管理し、ROI(Return On Investment:その投資でどれだけの利益を上げることができたかを示す指標)を向上させます。
すでに利用している企業には、株式会社マイナビや大日本印刷株式会社などの有名企業もおり、様々な分野でしっかりしたウェビナーの配信が可能であることが伺えます。
参考記事:
ウェビナーとは?マーケティングで今注目のネクプロを試してみた
金額も月額5,000円~のライトプランなどお手ごろ価格のプランが用意されているので、初めてウェビナーを開催する企業にとっても導入しやすいツールです。
導入前のデモも可能なので、まずは試してみると使い勝手が分かるはずです。
>>ネクプロの詳細をチェックする<<
ネクプロなら実際にウェビナーを体験しながら製品詳細をチェックできます。
ウェビナーを視聴しながら営業担当者とチャットで質疑応答ができるので、疑問や不安を解消することもできます!
導入事例もダウンロードして見ることができるので、ぜひチェックしてみてください。
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V-CUBE(ブイキューブ)
V‐CUBE(ブイキューブ)は最大で10,000台の端末にオンラインセミナーを生中継で配信できるツールです。
パソコンの他に、スマホ、タブレットの端末でも利用でき、インターネットに接続できれば世界中のどこからでも参加可能です。
英語や中国語、タイ語にも対応するマルチリンガルシステムです。
端末にソフトウェアをインストールする必要もなく、ネットワークや端末の設定も不要です。
ログインすれば常に最新のサービスが利用でき、メンテナンスフリーです。
GigaCast(ギガキャスト)
GigaCast(ギガキャスト)は企業での利用を前提に設計されており、スライドを用いたプレゼンテーション型のセミナーのライブ配信に適しています。
また、セミナーの告知ページや参加登録ページの自動生成、参加者との質疑応答やアンケートの実施と集計など、企業がオンラインセミナーを実施するにあたって必要な一連の作業を一元的に全てWeb上で行えるようになっています。
費用も必要な分だけその都度購入するプリペイド制で始めることができます。
ウェビナーの必要性は高い!導入を検討しよう
従来のセミナーや説明会は、会場に人を集めて情報発信をしていましたが、Web上で情報発信した方が効率的かつより広い対象に向けてアプローチできます。
光回線や第5世代移動通信システムの5Gの登場により、動画の配信のためのインフラが整ってきました。
Web上でセミナーを開催するウェビナーは、今後、より身近なものになることでしょう。
ウェビナー利用者が増えている現代、チャンスを逃さないために導入を検討されてはいかがでしょうか。