新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、企業は業務全般に大きな支障をきたしました。
いわゆる3密(密集、密室、密閉)を避け、不要不急の外出を自粛するように指示されている状況下では、イベントやセミナーの開催ができず、また出社を控えて在宅勤務(テレワーク)を実施する企業が増えています。
そして、テレワークは働き方改革の推進とBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策としても定着してきています。
緊急事態宣言が解除されても、また第二波による再度の宣言が出される可能性もあり、今後も対策を考えていく必要があります。
そこでオンラインセミナーを開催するツールとして知られるウェビナーが、テレワークを支えるツールとして改めて見直され、関心を集めています。
ここでは、ウェビナーの種類と配信のポイント、テレワークでも使えるウェビナーツールについてご紹介します。
目次
ウェビナーは2種類に分けられます
ウェビナーは、開催する日時を決めて動画をライブで配信するリアルタイム配信と、あらかじめ撮影したものや動画編集したものを配信する録画配信の2種類の配信方法があります。
以下にそれぞれについて解説します。
リアルタイム配信
リアルタイム配信は、撮影しながらその動画を配信する生放送なので、あたかも会場でセミナーを開催しているかのような臨場感があります。
また、参加者からの質疑応答を受け付けたり、逆に主催者が参加者に質問したりすることもできるという双方向性があるのが特徴です。
配信中に参加者が飽きないようにクイズを出したり、アンケートを取って次回以降のウェビナー開催に向けて改善の材料にしたりするなど、活用の方法はさまざまなものが考えられます。
質問に対して随時回答しながら進行させて行くことで、参加者の興味を引きつけることができます。
また、動画配信中には参加者のコメントが表示されるので、参加者は他の参加者の反応を見て理解を深めることができます。
リアルタイム配信はその双方向性を活かしてテレワークの中で会議を開くのにも向いています。
配信している主催者の動作や発言を見て、参加者から質問が飛び交えばウェビナーはより充実したものになります。
録画配信
録画配信は、事前に撮影した動画を編集してスライドショーやVTR、効果音などを効果的に付与してコンテンツ内容を充実したものにできるのが特徴です。
難度の高い内容を配信する場合などでは、図や映像を使って説明することで参加者の理解を助けることができます。
リアルタイム配信では決められた時間に視聴できなければ参加できませんが、録画配信は24時間いつでも視聴できるので、より多くの人に向けて配信が可能です。
また、繰り返して見られるので聞き漏らしたり、1回見ただけでは理解できなかったり場合に有効で、特定の内容を深くじっくりと掘り下げて理解を深めることに向いています。
最近では、セミナーを録画で準備しておき、配信当日は録画したものを流してオンラインで質疑応答を行うといった方法が海外では広まっています。
前もって録画しておいたものを配信するので、当日は参加者との交流に集中することができる、オンライン配信と録画配信の両方のメリットを活かしたおすすめの配信方法です。
リアルタイム配信ウェビナーをテレワーク中に配信するポイント
リアルタイム配信ウェビナーをテレワーク中に配信するポイントを以下に解説します。
邪魔の入らない空間を用意する
テレワーク中にウェビナーをリアルタイム配信する際、撮影場所は自宅の中の一室を利用することになりますが、配信中は家族やペットが出入りしないような、邪魔が入らない空間を用意する必要があります。
会社に出勤しているときには会議室で外部をシャットアウトして議題に集中できます。
一方、自宅でのテレワーク中では配偶者や子どもがいる中での執務となるので、落ち着いた環境を確保するのはなかなか難しくなります。
ウェビナー参加者はパソコンやスマホに映し出される映像に神経を集中していますので、配信者の背後に余計なものが映ると注意が逸れてしまい、伝えたいことがうまく伝わらないという状態になってしまいます。
また、話している内容がきちんと聞こえるように、配信者の音声を邪魔する騒音が入らないようにすることも重要です。
ホテルのテレワーク向けプランを活用するなど、静かで邪魔の入らない場所を確保するのも1つの方法です。
自宅で行う際は場所が特定できるものは映さない
ウェビナーを自宅から配信する場合、背景に自宅の場所が特定できるものを映さないように気を付けましょう。自宅の場所だけでなく、家の中の本棚や食器棚など自宅のどの部屋から配信しているのか分かるようなものを映すと、参加者に家に中を覗かれることになり、プライバシーを守れません。
また、撮影している場所が居間や台所といった特定の場所だと分かると参加者は背景に注意が行き、画面に映っている本棚や食器棚を見て「どんな本を読んでいるのだろうか」、「お茶碗はどんものを使っているのだろう」などとつい要らぬ詮索をして注意が散漫になってしまうかもしれません。
家に客を招くという習慣があまりない日本では、ウェビナー配信画面に家の中の様子を映して公開してしまうのは、他の人に土足でプライベートな領域に踏み込まれるようなものです。
テレワークが定着した会社ではリモートワークに加えてWeb飲み会を開くケースも増えてきましたが、家の中のことが話のネタになってしまう可能性もあります。
在宅勤務だと仕事とプライベートの区別が曖昧になりがちですが、時間を区切ってメリハリをつけるのはもちろんのこと、仕事をする環境にも十分に配慮したいものです。
ビデオカメラは最新型のスマホでも十分
ウェビナーを配信するにあたっては撮影するカメラが必要になりますが、専用のビデオカメラがなくても、スマホで最新型であれば十分代用できます。
最新型のスマホのカメラは1,200万画素以上のものが多く、中には2,000万画素のものもあります。
これはデジタルカメラと比べても遜色ない画質で、細部も鮮明に映ります。
スマホのカメラは28mm前後の広角レンズを搭載しているものが多く、目で見ているのとほぼ同じ視野角が得られます。
また、スマホのハイエンドモデルではさらに広角のレンズや望遠に対応したレンズを複数搭載したものもあり、被写体の背後をぼかしたり、逆に背景も焦点を合わせて鮮明に撮影したりするなど、撮影環境によって使い分けることができます。
機種によってはズーム機能が付いたものもあり、資料などを撮影する時に便利でしょう。
動画の画質を示すフレームレートもテレビと同じ60fps程度のものが多く、ビデオカメラと比べても遜色ない滑らかな動画を撮影することができます。
録画配信ウェビナーをテレワーク中に配信するポイント
ここでは、録画配信ウェビナーをテレワーク中に配信するポイントについて解説します。
録画の画像を見やすく編集する
録画配信ウェビナーなら、録画した画像が気に入らなければ何度でも撮り直しができ、また動画編集ソフトを使ってコンテンツを作り込むことが可能です。
BandicutやiMovieなどの動画編集ソフトを使えば簡単に動画が編集できます。
録画・編集する際に気を付けたいのは、色々なコンテンツを取り込むことができる録画配信だからといってあまりに多い資料などを取り込み過ぎないことです。
見やすい画像にするにためには、画面があまり頻繁に切り替わらず、メインの画面はテキストや図形を適宜入れる程度にしてシンプルな画像にしましょう。
動画の再生は配信するパソコンの処理能力と視聴する端末の通信環境に依存するので、再生する動画がカクついたり、途切れたりせずスムーズに再生されるように、配信する録画ファイルの解像度や重さに気を付ける必要があります。
具体的にはHD画質(画素数1280×720)程度なら画質も良く、ファイルもあまり重くなりません。
録画を流しながらチャットでリアルタイムに対応することもできる
録画配信であれば、ウェビナー配信当日は録画・編集した画像を流しつつ、視聴者からリアルタイムでチャットを受け付けることもできます。
現在各社から提供されているウェビナーツールには大抵の場合チャット機能が付いており、文字または音声でチャットが可能です。
双方向でやりとりを行うことにより、リアルタイム配信のような臨場感が得られます。
配信者は録画を流すだけなので、リラックスしてチャットの応答に集中できます。
配信者は参加者からチャットで寄せられた質問やコメントを、次回の録画配信に向けて録画・編集のコンテンツを改善する材料として使えます。
参加者からのフィードバックを取り入れることにより、参加者の満足度向上が見込めるでしょう。
このように、録画配信でも配信する時間を決めておけば視聴者とインタラクティブなコミュニケーションが取れ、視聴者の集計がしやすく、ウェビナー終了後の視聴者のフォローができるようになります。
配信中にトラブルが起きていないかは要チェック
ウェビナー配信にあたっては、配信環境や機材の状態に気を配って、配信中にトラブルが起きていないかどうかチェックする必要があります。配信環境が悪いと音声が途切れたり画像がコマ落ちしたりしますので、信頼できるウェビナーサービスを選びましょう。
もしウェビナーサービス自体にサーバーが落ちるなどのトラブルが発生してしまうと、録画配信であろうとリアルタイム配信であろうと、配信ができなくなってしまいます。
リアルタイム配信であればすぐにトラブルに気づけますが、視聴者が自由に視聴できる録画配信では、トラブルが生じているかどうかすぐに気づけない可能性が高くなりますので注意が必要です。
テレワークでもウェビナーが配信できるツール
テレワークでも活用できるウェビナー配信ツールをご紹介します。
ネクプロ
ネクプロは情報を配信者と視聴者の間で伝達・共有する機能に優れており、ウェビナーを配信するだけではなく、成果につなげることを目的としたツールです。
リアルタイム配信と録画配信の両方に対応しており、録画から配信後のフォローまで一元管理できます。
また、グループ管理を細かく設定でき、個別の視聴者ごとにカスタマイズした配信が可能です。
コンテンツを誰でも視聴できるオープン形式か、決められた相手だけが視聴できるクローズドかを選択できることができるのも便利です。
さらに、参加申し込みフォームを簡単に作成し、申し込み受付のメール配信を自動化します。
視聴者分析データをCSVファイルでダウンロードできますので、視聴者の情報や行動履歴を蓄積し、その後のアクションに役立てることができます。
▼導入企業例
>>ネクプロの詳細をチェックする<<
ネクプロなら実際にウェビナー・webセミナーを体験しながら製品詳細をチェックできます。
ウェビナー・webセミナーを視聴しながら営業担当者とチャットで質疑応答ができるので、疑問や不安を解消することもできます!
導入事例もダウンロードして見ることができるので、ぜひチェックしてみてください。
◆◇◆ウェビナー成功導入事例集のダウンロードはこちら◆◇◆
wellcast(ウェルキャスト)
wellcast(ウェルキャスト)はURL作成のみでウェビナーを開催できるツールです。
視聴者は作成されたURLをクリックするだけで参加できます。
オンラインセミナーの他、社内研修や製品紹介、イベント配信などさまざまな場面に用いることができます。
ウェビナーの開催が簡単なので、急に配信する必要がある場合でもすぐに配信して視聴者に届けることが可能です。
3人まで同時に配信することができ、ディスカッション形式のウェビナーにも対応しています。
配信者のデスクトップ画面や資料を視聴者と共有することができるので、双方で同じ画面を見ることができ、相互理解を促します。
視聴者が分からないことで質問したい時や、意見を発言したい時にはチャットによりリアルタイムで配信者に伝えることができるので、発言のタイミングを逸することがありません。
GigaCast(ギガキャスト)
GigaCast(ギガキャスト)は、オンラインセミナーをはじめWeb会議などのライブ動画配信に特化したツールです。
もちろん録画配信機能も付いています。
ウェビナー開催の告知ページの作成、参加申し込みフォームの作成ができ、ウェビナー開催当日はチャットによる質疑応答、アンケート収集、出欠の確認、視聴者数の確認などウェビナーを開催するにあたって便利な機能は一通り備えており、ワンストップで運用できます。
ウェビナーといえばパワーポイントで作成したスライドを使用する場面が多いですが、GigaCast(ギガキャスト)は主催者の顔とスライドを適宜切り替えながら進めていくことができます。
画質の良さが特徴で、小さい文字もはっきりと見えます。
また、外部のソフトウェアと連携できるAPIを備えているので、企業が普段から使っているソフトウェアに合わせて独自のシステムを構築できます。
テレワーク中でも積極的にウェビナーを開催しよう
ウェビナーはセミナーをオンラインで配信するために開発されたシステムですが、パソコン、カメラ、マイクがあればどこでも配信できるうえに、費用も準備の手間も最小限で済み、インターネットにつながる環境さえあれば誰でも視聴可能という手軽さから、テレワークでも容易に配信が可能です。
新型コロナウイルス対策として見直されたテレワークですが、コロナ終息後も定着すると見込まれています。
テレワークでもセミナー開催が可能なウェビナー、これを機会に導入を検討されてはいかがでしょうか。